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高知地方裁判所 平成3年(ワ)119号 判決 1993年4月28日

原告

松林英子

被告

山本亘之

ほか一名

主文

一  被告らは、原告に対し、連帯して金二三〇五万一一四八円及び内金二一〇五万一一四八円に対する昭和六三年一二月九日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告山本俊彦は、原告に対し、金六〇万七五〇〇円及びこれに対する昭和六三年一二月九日から完済に至るまで年五分の割合による金員の支払え。

三  原告のその余の請求をいずれも棄却する。

四  訴訟費用は、これを一〇分し、その九を被告らの負担、その余を原告の負担とする。

五  この判決は第三項を除いて仮に執行することができる。

事実及び理由

第一請求

被告らは、原告に対し、連帯して金二七九一万四六二八円及び内金二五四一万四六二八円に対する昭和六三年一二月九日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

第二事案の概要

本件は、原告が、後記記載の交通事故(以下、「本件交通事故」という。)によつて傷害を受けたとして、相手方車両の保有者である被告山本亘之(以下、「被告亘之」という。)に対し自動車損害賠償保障法(以下、「自賠法」という。)三条により、相手方車両の運転者である被告山本俊彦(以下、「被告俊彦」という。)に対し民法七〇九条により、それぞれ損害賠償を請求する事案である。

一  前提となる事実

1  本件交通事故は、昭和六三年一二月九日午前六時五〇分ころ、高知県南国市物部乙八六番地先県道一三号線路上において、出勤のため国道五五号線方面から久枝方面へ南進中の原告運転の普通貨物自動車と出勤のため北進中の被告俊彦運転の普通乗用自動車が正面衝突したものである(争いのない事実)。

2  原告は、本件交通事故により、腸間膜損傷、小腸壊死、膵損傷、骨盤及び右大腿骨骨折、腹腔内出血、頭部、胸部、腹部・骨盤打撲、右下腿裂創(骨に達する)、左膝から下腿裂創(骨に達する)、右肘関節、顔面、前額部裂創、右頬部裂創、出血性シヨツク、出血多量、肝損傷、外傷性心不全、ストレス潰瘍、外傷性膵炎、膀胱炎(本件事故による)、左卵巣破裂(摘出せず)、後腹膜損傷の重傷を負つた。

そして、原告は、平成二年九月二三日症状が固定したが、右股関節人工骨頭手術、小腸切除術、腸間膜損傷手術(腸切除を伴うもの)、膵ドレナージ術を施行し、右股関節運動障害、跛行、右下肢短縮(右下肢長七六・五センチメートル、左下肢長七八センチメートル)、右大腿部筋萎縮(大腿周囲径右三三・五センチメートル、左三四・五センチメートル)の神経障害を、また、顔面二センチメートル、右肘四・五センチメートル、左膝七センチメートルの創瘢痕、腹部及び右下肢に手術瘢痕を、そして、股関節に機能障害を残し、また、将来は人工関節置換術を必要とされるものであり、自賠責保険より後遺障害等級八級七号の認定を受けている(甲二、三、乙二六)。

3  原告は、本件交通事故により、昭和六三年一二月九日から平成元年六月三〇日まで(二〇四日間)藤原病院に入院し、平成元年七月一日から平成二年九月二三日まで(実通院日数七一日間)同病院に通院したものである(甲三、三二)。

4  被告亘之は、本件交通事故の際、被告俊彦が運転していた普通乗用自動車の保有者である(争いのない事実)。

5  原告は、本件交通事故に関して、自賠責保険より、平成二年二月八日に金二五万円、同年五月一〇日に金一三万一一四〇円、後遺症損害につき金七五〇万円の合計金七八八万一一四〇円の支払を受け、労災より、休業給付額一一二万三九五二円及び特別支給金額三七万四五一八円の合計金一四九万八四七〇円の支払を受けたものである(争いのない事実)。

二  争点

1  本件交通事故の態様(当事者の過失に関連して)

(原告の主張)

本件交通事故の発生原因は、路上の痕跡、ガラス破片の散乱状況、衝突姿勢などから、明らかに原告の進行車線(南進車線)上で発生したものと認められ、北進中の被告俊彦運転車両が道路中央線を越えて走行してきたため、ブレーキ操作を行う間もなく衝突したものである。

(被告らの主張)

(1) 被告俊彦は、本件交通事故現場に至る県道を時速四〇ないし五〇キロメートルで走行していたところ、本件交通事故現場付近で、原告運転の車両が時速約七〇キロメートルの高速で、いきなり被告俊彦車両進路前方に切り込んで来たものであり、被告俊彦は避ける間もなく、被告俊彦車両の右前角付近と原告車両右前から横側付近が衝突し、その反動で被告俊彦車両は左後輪を道路西端のコンクリートに接触、パンクさせながら一八〇度右回りに回転し、原告進行車線に南向きに停止した。また、原告車は、衝突の反動で、同じく右回りに回転して本件交通事故発生場所の路外(東側畑地)へ逸脱し、停止した。

(2) 本件交通事故発生場所が、原告進行車線内か被告俊彦進行車線内かについて、原告提出の鑑定書(甲九、二三の二)は、いずれも本件交通事故発生場所が原告進行車線内であるという判断をしている。

しかし、右鑑定はいずれも本件交通事故当日の実況見分調書(甲一八の一)を前提としているが、右実況見分は、民間人が、他の車両の通行のため、被告進行車線上のガラス片、散乱物等をほうきで原告進行車線に掃き寄せた後に行われたものであつて、ガラス片の散乱状況についての実況見分の結果は採用することはできないものである。

2  原告の後遺障害について

(被告らの主張)

原告は、勤務先である高知空港ビル株式会社に復職し、本件交通事故のよる休業のために同期入社の者と給与に差額が生じたということはなく、現実的損害は生じていないものである。

また、原告の後遺症は、右股関節人工骨頭関係が主たるものであるが、これについての今後の治療としては経過観察が主であり、また、原告本人は平成四年三月七日に結婚しており、あまり後遺障害の影響は認められないものである。

(原告の主張)

原告は、本件交通事故による後遺障害により、右股関節、右大腿部、右膝部に痛みを感じることがあり、右足が左足と比較して一・五センチメートルほど短くなつており、運動能力が制限され、日常生活全般にわたつてハンデキャツプを有している。

そして、右股関節については、人口骨頭手術を行つており、将来人工関節置換手術を要するほどのものである。

また、原告は、本件交通事故当時、高知空港ビル株式会社においてウエイトレスの仕事をしていたが、事故後は座つて仕事のできる営業部の総合案内所の仕事に配置替えになつたものであり、昇給について現在のところ具体的な差額は顕在化していないが、後遺障害による労働能力の低下のため、将来には経済的不利益を受ける可能性が高いものである。

3  原告の損害額(原告の主張)

後記のとおり、原告が本件交通事故によつて被つた損害額の合計は金三七二九万四二三八円となる。

(1) 物的損害 金六七万五〇〇〇円

本件交通事故により原告所有の普通貨物自動車は全損であつてその損害額は金六五万円であり、本件交通事故当日の同車のレツカー代として金二万五〇〇〇円を要した。

(2) 症状固定までの損害

<1> 入院雑費 金二〇万四〇〇〇円

一日当たり一〇〇〇円で二〇四日間入院

<2> 通院交通費 金六万九六七〇円

原告は、七一日間通院し、通院交通費として金四万九七〇〇円を、原告の母親の病院への交通費として金一万九九七〇円を要した。

<3> 休業損害 金二五九万九四〇四円

原告は、本件交通事故当時、高知空港ビル株式会社に勤務していたが、昭和六三年一二月九日から平成二年一月三一日まで四一九日間欠勤し、その間の休業損害は金一九九万五二七八円である。

また、原告の本件交通事故発生日より平成二年一月三一日まで欠勤による賞与の減額は金六〇万四一二六円である。

<4> 慰謝料 金三〇〇万円

原告は、本件交通事故により、入院約七か月、通院約一年二か月の重傷を負つたものであり、多大の精神的苦痛を受けた。

(3) 後遺障害による損害

原告は、本件交通事故により、自賠法施行令別表八級七号に該当する各後遺障害を残したものである。

<1> 逸失利益 金二一六四万六一六四円

本件交通事故当時の原告の年収は金二一五万七七四四円であり、後遺障害のため労働能力の四五パーセントを喪失、就労可能期間を六七歳までとする。

<2> 慰謝料 金六六〇万円

原告の前記の後遺障害は終生続くものと予想され、多大な精神的苦痛を受けたものである。

(4) 損害の填補 金九三七万九六一〇円

(5) 弁護士費用 金二五〇万円

4  過失相殺

(被告らの主張)

原告は、本件事故直前において時速約七〇キロメートルの速度で運転していたものであり、本件交通事故は、制限速度を二〇キロメートルオーバーした原告の安全速度不履行の過失が競合して発生したものであり、三〇パーセント以上の過失相殺をなすべきである。

第三争点に対する判断

一  本件交通事故の態様(当事者の過失に関連して)

1  原告運転車両と被告俊彦運転車両の衝突地点について、原告は、原告車両が進行していた南進車線上であると主張するのに対し、被告は、被告俊彦車両が進行していた北進車線上であると主張し、当事者双方とも右主張に沿う供述をしている(原告、被告山本俊彦各本人尋問)。

2  そこで、本件交通事故後、客観的に存在していた状況から、双方の車両の衝突時の姿勢及び衝突地点を判断する必要があり、衝突地点付近のタイヤ痕等の位置、両車両の変形及び破損の状態、衝突後の両車両の停止地点並びにガラス片等の散乱状況などから、日本交通事故鑑識研究所の工学士大慈彌雅弘の鑑定書(甲九)及び高知県警察本部刑事部鑑識課の科学捜査研究室の技術吏員片岡洋一外一名の鑑定書(甲二三の二)は、いずれも原告進行車線に被告俊彦車両が中央線を越えて進入する形で衝突したものであるという鑑定結果を出している。

そして、いずれの鑑定も、両車両の変形及び破損の状態、衝突後の両車両の停止地点そして原告進行車線の路面にくい込んだ擦過痕と原告車両の車体下部シヤーシ部分の損傷など客観的事実を主たる資料として、鑑定結果を導いているものであり、いずれも合理性を有すると認めることができる。

4  そして、被告らは、ガラス片の散乱状況に関する実況見分の結果(甲一八の一)は、被告亘之ら民間人が警察の指示によつて被告俊彦進行車線上のガラス片等の散乱物を原告進行車線に掃き寄せた後のものであつて信用することはできないと主張し、その主張に沿う証拠も存する(乙一〇、被告亘之本人)。

しかしながら、前記二通の鑑定書は、ガラス片等の散乱物の状況を鑑定の資料とはしているが、それだけで鑑定判断を下しているわけではなく、前述のとおり、鑑定の主たる資料としては、両車両の変形及び破損の状態、衝突後の両車両の停止地点そして原告進行車線の路面にくい込んだ擦過痕と原告車両の車体下部シヤーシ部分の損傷などの客観的事実を用いているのであり、仮にガラス片の散乱状況について、被告ら主張のような事実があつたとしても、鑑定書の結論自体は変わらないものと認められる(甲二三)。

5  以上によれば、本件交通事故は、原告進行車線に被告俊彦車両が中央線を越える形で進行したために生じた衝突であると認めることができる。

したがつて、被告俊彦は民法七〇九条により本件交通事故によつて原告が受けた人的、物的損害について、被告亘之は自賠法三条により原告が受けた人的損害についてそれぞれ損害賠償責任を負うことになる。

二  原告の後遺障害について

1  原告は、平成二年九月二三日症状が固定したが、右股関節人工骨頭手術、小腸切除術、腸間膜損傷手術(腸切除を伴うもの)、膵ドレナージ術を施行し、右股関節運動障害、跛行、右下肢短縮(右下肢長七六・五センチメートル、左下肢長七八センチメートル)、右大腿部筋萎縮(大腿周囲径右三三・五センチメートル、左三四・五センチメートル)の神経障害を、また、顔面二センチメートル、右肘四・五センチメートル、左膝七センチメートルの創瘢痕、腹部及び右下肢に手術瘢痕を、そして、股関節に機能障害を残し、また、将来は人工関節置換術を必要とされるものであり、自賠責保険より後遺障害等級八級七号の認定を受けている(甲二、三、乙二六)。

2  被告らは、原告は、勤務先である高知空港ビル株式会社に復職し、本件交通事故による休業のために同期入社の者と給与に差額が生じたということはなく、現実的損害は生じていないこと、また、原告の後遺症は、右股関節人工骨頭関係が主たるものであるが、今後の治療は経過観察が主であり、また、原告本人は平成四年三月七日に結婚しているものであり、後遺障害の影響は認められないと主張する。

3  そこで、検討するに、確かに、原告は、高知空港ビル株式会社に復職後は同期入社の者との間に給与の差額は生じておらず、近いうちに差額が生じる見込みもないことがみめられる(乙五ないし九、調査嘱託の結果)。しかしながら、原告は、本件交通事故前はウエイトレスの仕事をしていたが、本件交通事故による後遺障害のため、座つて仕事のできる事務職しか仕事ができず、配置替えになつたものであり、特に右股関節については、人工骨頭手術を行つており、将来人工関節置換手術を要するものであり、右足が左足に比べて一・五センチメートル程短くなつており、スポーツもちろん歩行もゆつくりしかできないなど、日常生活がかなり制限されていること(原告本人、弁論の全趣旨)が認められる。

そして、右事実に後遺症の内容及び程度を併せて考えると、現在のところ原告に現実の収入の減少は生じていないものの、原告は、後遺症のため、座つて仕事のできる事務職しか仕事ができず、運動能力も制限されているため、将来の昇給については同僚と比べて相対的に不利益な取扱いを受けるおそれが認められ、転職等の場合には、右後遺症が障害となつて、不利益を受けることも十分予想されるところである。したがつて、これら諸般の事情を考慮すると、原告には、自賠法施行令別表八級七号の後遺障害に該当するものとして、稼働可能な六七歳まで労働能力の四五パーセントを喪失したことによる逸失利益を認めるべきである。

三  原告の損害額

1  物的損害 金六七万五〇〇〇円

本件交通事故により原告所有の普通貨物自動車は全損であり(甲一一の一ないし五、一二の一ないし五、一八の一、原告本人)、その損害額は金六五万円であると認められる(甲三八)。また、本件交通事故当日の原告車のレツカー代として金二万五〇〇〇円を要したと認められる(甲三五)。

2  症状固定までの損害

(1) 入院雑費 金二〇万四〇〇〇円

原告は、本件交通事故により、昭和六三年一二月九日から平成元年六月三〇日まで二〇四日間藤原病院に入院したものであり(前提となる事実)、一日当たり一〇〇〇円の入院雑費を認める。

(2) 通院交通費 金六万二三〇〇円

原告は、平成元年七月一日から平成二年九月二三日まで(実通院日数七一日間)同病院に通院したものであり(前提となる事実)、片道バス代三五〇円として(甲三六)七一日間で、通院交通費金四万九七〇〇円を要した。

また、原告の母親の病院への交通費は、片道バス代三五〇円として一八日分を担当と認め、一万二六〇〇円となる。

(3) 休業損害 金二四九万九四九〇円

原告は、本件交通事故当時、高知空港ビル株式会社に勤務していたが、昭和六三年一二月九日から平成二年一月三一日まで四一九日間欠勤したものであり(甲四、原告本人)、昭和六三年一二月九日から同年一二月二九日までは給与の支給を受けているから、右欠勤の間の休業損害は、金一八九万五三六四円となる。

また、原告は、本件事故発生日より平成二年一月三一日まで欠勤による賞与の減額を受けており、減額した金額は金六〇万四一二六円となる(甲五の一及び二)。

(4) 慰謝料 金二八〇万円

原告は、本件交通事故により、前記のとおり、入院約七か月、通院約一年二か月を要する重傷を負つたものであり、その間の精神的苦痛を慰謝するには金二八〇万円が相当である。

3  後遺障害による損害

(1) 後遺障害による逸失利益 金二一六四万六一六四円

原告は、前記のとおり、本件交通事故により自賠法施行令別表八級七号に該当する後遺障害を受け、症状固定時である平成二年九月二三日から稼働可能な六七歳まで労働能力の四五パーセントを喪失したことによる逸失利益を認めるべきである。そして、原告の本件交通事故当時の年収は金二一五万七七四四円であり、新ホフマン係数二二・二九三を適用すると、逸失利益は金二一六四万六一六四円となる。

(2) 後遺障害による慰謝料 金六六〇万円

原告は、本件交通事故により、前記のとおりの後遺障害を受け、多大な精神的苦痛を受けたものであり、右精神的苦痛を慰謝するには金六六〇万円が相当である。

四  過失相殺

本件交通事故現場の制限速度は時速五〇キロメートルであること(甲一八の一)、本件交通事故直後の原告車両の速度メーターは時速七〇キロメートルを表示していること(甲一八の一写真二五)、原告は、平成元年七月一二日警察官に対して時速六五ないし七〇キロメートルで走行していたと供述していること(甲二八)などの事実を総合すれば、衝突により速度メーターが振れることがあるとしても、原告は少なくとも時速六五キロメートルで走行していたと認めることができる。

そして、本件交通事故の主たる原因が被告俊彦が中央線を越えて原告進行車線に進入したことにあるとしても、原告の時速一五キロメートルの速度超過も本件交通事故及び原告の損害発生に影響しているといわざるをえないから、原告の損害額から一割を過失相殺することとする。

五  被告らの賠償額

1  人的損害 金二一〇五万一一四八円

前記三の2及び3を合計すると金三三八一万一九五四円となり、右金額から過失相殺として一割を除き、さらに原告が既に損害の填補を受けている金九三七万九六一〇円を控除すると、金二一〇五万一一四八円となる。そして、原告の右人的損害については、被告亘之は自賠法三条により、被告俊彦は民法七〇九条により、連帯して損害賠償責任を負う。

2  物的損害 金六〇万七五〇〇円

前記三の1を合計すると金六七万五〇〇〇円となり、右金額から過失相殺として一割を除くと、金六〇万七五〇〇円となる。そして、原告の右物的損害については、被告俊彦が民法七〇九条により損害賠償責任を負う。

3  弁護士費用 金二〇〇万円

本件交通事故と相当因果関係のある弁護士費用相当額は金二〇〇万円と認めるのが相当である。

第四結論

以上によれば、原告の請求は、被告らに対して、連帯して金二三〇五万一一四八円及び内金二一〇五万一一四八円に対する昭和六三年一二月九日から完済に至るまで年五分の割合による金員、被告俊彦に対して、金六〇万七五〇〇円及びこれに対する昭和六三年一二月九日から完済に至るまで年五分の割合による金員の支払を求める限度で理由があるから認容し、原告のその余の請求はいずれも理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。

(裁判官 大善文男)

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